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鳴海 一雅; 境 誠司; 楢本 洋*; 高梨 弘毅
Fullerenes, Nanotubes, and Carbon Nanostructures, 14(2-3), p.429 - 434, 2006/00
7MeV Cイオンを照射したC薄膜をX線回折法とラマン分光法を用いて評価し、イオン照射によるC固体のポリマー化の過程を調べた。ラマンスペクトルにおいては、照射量の増加に伴い、A(2)モードのピーク収量の絶対値が減少するとともに、A(2)からH(7)にかけての低波数側の成分が相対的に顕著になった。一方、X線回折の照射量依存については、照射量の増大に伴う111, 222, 333反射の大角度側へのシフトが観測された。これらの結果から、イオン照射に伴うC分子の分解によってC分子の絶対数は減少するが、同時に、分解せずに残ったC分子のうち、ポリマー化したものの割合は増加し、110/cm照射後に残っているC分子はほとんどがポリマー化していること、また、この時の(111)面の面間隔は、未照射の試料に比べるとポリマー化によって4%程度収縮していることがわかった。